Creative Direction
PROLOGUE
SOLOは「人が人であるための光」をテーマに、内省と没頭を設計するポータブル照明。新開発した斜めに切り取られたシェードと60度の配光が、手元だけに穏やかなスポットを落とし、視界と思考のノイズを取り払います。思いに耽ったり、熟考したり──個の時間に寄り添い、内省と没頭を静かに支える、全く新しい灯りです。
ORIGIN
すべての始まりは、ある友禅作家の制作風景でした。頬杖をつき、時に机で頭を抱えながら、ただひたすらに夢中になり没頭する瞬間。その光に照らされた横顔を見たとき、従来にない――「自分自身」のための時間を照らす光をつくりたいと思ったのです。
大きくみんなを照らすものではなく、個人の時間に立ち戻れるような、社会に必要な灯りを考えました。

DESIGN
こだわったのは、タイムレスなシェイプと、必要な角度で必要な場所だけを照らす新しい照射設計です。手元を効率よく照らしつつも、視界や思考にノイズを与えないバランスを求め、幾度も試行錯誤を重ねました。
屋内外へ軽やかに連れ出せるポータブル設計で、周囲の輝度を整え、デジタルデバイスとも静かに共存します。
遠くから手元を照らす構想を記したスケッチConcept sketch illuminating the hands from a distance.
照明の傘を半分にし照射角度を変える光の概念図Diagram of light distribution with a halved shade.
60度の配光を実現するシェードのフォルムShade form achieving 60-degree light distribution.
SOLOのロゴ Designed by PDCSOLO Logo Designed by PDC
CRAFT
精密な工業製品でありながら、クラフトのような温かみを宿すこと。カラーは絹のような白、鋳肌を思わせるマットブラック、鮮やかなグリーンの3色を展開。それぞれに、精密な工業技術にクラフトの質感が息づく独自の仕上げを施しました。
これらは単純な色違いではなく、それぞれが艶と風合いの異なる、美しい表情を纏っています。



EXHIBITION
デスクに置けば書斎が生まれ、ソファの傍らに置けば読書のためのラウンジとなる。コードレスでどこへでも持ち運べるSOLOは、置かれたその場所を瞬時に「個の居場所」へと変容させます。人に合わせて移動する、新しい時代の光の風景をインスタレーションで表現しました。
PROCESS & MOVIE
インタビュー動画では、デザインの原点やコンセプトに至る思考のプロセス、斜めに切り取られたシェードと光の開発、3色の仕上げ、そしてデスク/スタンドそれぞれの役割を鈴木啓太が語りました。
Project: SOLO (Portable Lamp)
Client / Manufacturer: YAMAGIWA
Design: Product Design Center (PDC)
Designers: Keita Suzuki, Ryuya Yamada, Emi Arai, Asato Satake (YAMAGIWA)
Engineering: YAMAGIWA
Art Direction: Keita Suzuki, Mayuko Kato
Photography: YAMAGIWA, Nacasa & Partners Inc., Kenta Hasegawa
Special Thanks: Hiroshi Sakazume









